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顧みすれば

第32章 もう一度 

私は目を見開いた


直哉さんを荒廃させたのは



私への想い?!




「バかだな、お前のせいじゃないさ」


立ち上がった直哉さんが私の頭を

優しくポンポンとたたく


「俺がバカで未熟なガキだっただけさ。

 たかが5つの年の差を

 永遠の距離のように感じてしまったんだ。



 そんなもの、


 大人になればどおってことないのに


 それに気付かないほどガキだったんだよ。



 そして何よりも大切な紗英を


 壊してしまったんだから


 どうしようもない男だよ」



「‥‥‥」



「だから、紗英は悪くないんだ」



私の顔を覗きこみ 優しく微笑む

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