テキストサイズ

顧みすれば

第34章 新たな扉

「それでもロイド王子は諦めきれなかった


 たった1日恋人になって夢のような時を


 過ごしたそうです


 とても甘い時を...」



私はスイスでのデートを思い出した。



「翌朝 魔法は解けてしまった。



 ロイド王子に残ったのは



 甘い夢の時とポケットのなかの婚約指輪」



「え?指輪?」



「渡すことができなかったそうです」



ナターシャさんが微笑む



「捨ててしまうことも


 返すこともできたのに


 ロイド王子はその指輪を売って


 学校を作ってくれと


 側近に命じたそうです」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ