テキストサイズ

顧みすれば

第34章 新たな扉

「ロイド王子がアミさん以上に

 
 誰かを愛することはないでしょう


 私も含めて。


 でも、愛には色々な形があることも


 ロイド王子は教えてくださいました。



 私はアミさんとは違う愛で


 ロイド王子が愛してくださっていることを


 感じています」



ナターシャさんの表情は強い。


「それに、おかしいと思いませんか?


 創設者である王子が


 この建物に入れないわけがないのです。



 ロイド王子は想い出をここに置いて


 一度も足を踏み入れたことはないのです」



ナターシャさんが笑う



「アミさんはロイド王子の甘い想い出です


 王子ゆえにデートもしたことがない


 自ら恋したこともなかった王子の


 ロマンティックな想い出なんです」




ストーリーメニュー

TOPTOPへ