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顧みすれば

第36章 愛の国

「ねえ、

 あのハートの印の建物はなに?」



「ん?あれか

 あれは学校。


 この国では学校を

 '愛'と呼ぶようになった」



ハンドルを握りながら


直哉さんが教えてくれる



「へぇ、愛 か。素敵ね」



「学びは義務でも権利でもなく


 愛なんだ と


 ロイドが言っていたよ。


 どこまでもロマンティストな男だよ」



直哉さんが笑う。



「ロイド王の愛が

 この国を助ける 愛になればいいわね」



「そうだな」


時々車窓に現れるハートの建物に


思いを寄せる。


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