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顧みすれば

第37章 世界一美しい島で

直哉さんは私の手を引き


テーブルに連れていく。




そこには婚姻届があった。




よく見ると



おじさまと母のサインがあった。

 

「これって...」



「女将が父さんに渡してくれたんだ。


 二人が出したいときに


 いつでも出せばいいって」



「お母様が?」



あの時の母の言葉は


こういうことだったのか...



「俺は今日出したい。



 紗英の生まれた日に



 俺が恋した女の子に



 僕のお嫁さんになってほしい」



私の手を握って温かく微笑む。


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