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顧みすれば

第38章 愛の行方

スペインに戻ってから


私の体調はすぐれなかった。



食欲も湧かず


とにかくダルい。


直哉さんが出掛けたあと家事をこなすと


ほとんど寝ていた。



心配した直哉さんは


私を病院へ連れていってくれた。



病名は...


妊娠 


私は直哉さんの子供を身籠っていた。



アラブで生死をさ迷ってから


生理不順になっていた私は


まったく気付かなかった。



医師から


「おめでとう」


と言われてポカンとしている私を


直哉さんは強く抱き締めた。



もしかしたら子供は望めないと


言われていただけに


直哉さんは涙を流して喜んでくれた。


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