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「石田さん　カッコいいなぁ」

洋子ちゃんが魂の抜けた声で呟いた

「どうやらライバルは多いみたいよ」

石田さんが歩いていく姿をたくさんの女子が目で追っていた。

「いいなぁ、佐々木さん。
　私も石田さんと仕事がしたい」

「あら、してるじゃない。洋子ちゃんが打ってる企画書設計部のやつよ」

「あ、そうか！でも私言われたものを打ってるだけだから石田さんに近づくチャンスがないですよね」

「じゃ、プレゼンのあと一緒に打合せする？」

「えーっっ！いいんですか？」

洋子ちゃんが私の手を掴む

「だって、洋子ちゃんが打ち直すんだから同席しても問題ないでしょ」

「でも、石田さんはそれだけが目的じゃ無さそうですよ」

洋子ちゃんが拗ねた顔で睨む

「ぜったい佐々木さん狙い」

「なにそれ。私はなんとも思ってないからいいわよ。同席して」

「石田さんに空気読めない女って思われたくないなぁ…」

「私が連れてきたって言えばいいだけよ

　さ、私たちも戻って仕事しよ。
　あんまり時間もなくなってきたしね」

「はい。なんかヤル気出てきました！」

「もう、単純だなぁ」

私たちは休憩室を出て業務へと戻った。