テキストサイズ

顧みすれば

第38章 愛の行方

それに 私たちの新居は


山下家の隣 私の育った場所だった。



私が身籠ったことを知ると


おじさまはスペインまでやって来て


日本に戻るように強く勧めてきた。


直哉さんも自分のいないときに


何かあっては大変だと


おじさまと帰国することを望んだ。



新居についておじさまは少し言い澱んだ。



「紗英ちゃん 言いにくいんだが...

 うちの隣の土地を買ってあるんだが...

 つまりその...

 紗英ちゃんが嫌でなければ

 隣に家を建てないか?」


直哉さんもドキリとして


私の顔を伺った。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ