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顧みすれば

第38章 愛の行方

「まだ新婚だよ」


「新婚?」


「そう。

 だから俺は紗英に触れたくて仕方ない


 なのに紗英ってばすごく冷たいんだ」
 


直哉さんが拗ねた顔をする



「私...冷たかったかな...」



「冷たいよ。


 お陰で俺の心は凍えてしまったよ」



直哉さんが私の手を取り胸に当てる



「な。冷たくて寂しいっていってるだろ?」



「...」



「そんな顔するな。


 紗英が夢中で子供たちを


 育ててくれてること


 ちゃんとわかってる。


 だから俺も無理は言わなかった。


 言えなかったよ...


 本当は寂しいって 


 側にいてほしいって」



「直哉さん...」



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