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顧みすれば

第38章 愛の行方

夕日が沈み


辺りが暗くなり始めた頃


後ろから抱き締めていた直哉さんが


私の体をくるりと反転して


正面から抱き締めた。



「ああ...


 やっと紗英に触れることができた」



「直哉さん?」



「言い訳に聞こえるかもしれないけど


 ずっと紗英に触れたかった」


直哉さんはぎゅーっと私を抱き締める。



「紗英 俺たち結婚して


 6年になるけど


 一緒に過ごした日は300日もない


 まだ1年も一緒に暮らしてないんだよ」


「え?そうだった?」


直哉さんが私の顔を覗きこむ


「そうだよ 気付かなかった?」


「ええ」





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