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顧みすれば

第38章 愛の行方

ゆっくりと唇が離れて

直哉さんが私の顔を覗きこむ



「やっぱり 紗英じゃなきゃダメだ」




ぎゅーっと抱き締める




「紗英に会えないから


 他の女で我慢してた。



 紗英を抱けないから


 他の女に紗英を重ねて抱いてた」




「本当に?」




直哉さんが私の目を見つめる




「嘘じゃない。



 俺は紗英だけいてくれればいい。

 

 紗英じゃなきゃダメなんだ」



ちょっと疑いの目を向けてみる。



「わかった


 今からそれを証明してみせる」



私の手を強く握り


歩き出そうとした


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