シュールな関係
第1章 安い男
「あの顔で見つめられて
愛の言葉でも囁かれたら
即死ですよぉ~」
妄想に取りつかれたように
一人で頬に手を当て
モジモジしながら
悶絶寸前になっている。
やっぱり一之瀬さんは
顔なのかぁ~
「でも顔だけじゃないですよ
優しいし…仕事も出来るし・・・」
「ねえ…留美
飲んでる勢いで言うけど
気を悪くしないでね
あんた一之瀬さんの顔に
騙されてるのよ?
わたしの扱い見てたら非道だと
思わない?
何を考えてるか分かんないし…
もし付き合ったら
いつも女の影を気にしないと
いけないし
泣かされるかもよ?」
「それでもい~のです!!
一之瀬さんになら
騙されても泣かされても!
それに私生活を見せない
あのミステリアスな所も
全てが魅力的なんです!!」
キッパリと言い切る留美に
もう何も言うつもりはない・・・