覗いちゃダメっ
第9章 雨の結末
花「雨、止まないな…」
季節の変わり目
天気予報では今日は一日晴れ
そう言っていたがお昼を過ぎた頃から
雲行きが怪しくなり
帰る頃には雨
頼みの紗耶香は先に帰ってしまい
もちろん置き傘もない
花「…真っ黒だ」
空を見る限り
止む気配は一向になく
傘のない花は濡れて帰るしかなかった
花「…」
男子「野崎?」
花「あっ、田辺君」
声をかけてきたのは
同じクラスで野球部の田辺君
特に仲が良いわけではないが前に一度
日直を代わってあげた事があり
それ以来、話すように
田辺「帰らないの?」
花「うんっ…傘持ってなくて」
田辺「どっち」
花「えっ?」
田辺「家、大手スーパーの西か東か」
花「東の方だけど」
田辺「俺も東」
花「?」
田辺「近くまで送るよ」
花「いいの?」
田辺「この前、日直見逃してくれたから
さ、その礼」
花「ありがとう」
田辺「…」