覗いちゃダメっ
第10章 熱にうなされて
母「お風呂沸かしたから」
花「…ありがとう」
お風呂の準備をし部屋を出ようとした時
花の携帯が再び鳴り響いた
メールを知らせる
着信音が…
♪~(メール着信音)
花「…」
彼からかもしれない
もしかしたら紗耶香からかもしれない
そんな恐怖心と戦いながら
メールを開くと…
花「紗耶香からだ」
メールは紗耶香から
今ならまだ一時限目に間に合う時間の為
急いで返信しようとしたが
その内容に…
花「あの人の友達にもお礼伝えといてね
あの生姜湯、生姜湯は…!?」
その時になって
花は自分の間違いに気づいた
昨日、自分の目の前に現れたのは
ずっと恋い焦がれ会いたいと願っていた
彼ではなく…
花「功一さん、だったんだ…」
母「花ちゃん?」
花「…ごめん…ちょっ…出て来る…」
母「えっ、どこ行くの?」
花「…」
母「花ちゃん?」
パジャマの上に上着を羽織った格好で
部屋を出て行ってしまった花
そんな花に母は…
母「何なのよ、心配して損した」