テキストサイズ

覗いちゃダメっ

第5章 エレベーターで



功一「デビュー作から最新作まで持って
たよね、ファンなんだ」

花「違います、あれはただ」

功一「ただ?」

花「…」


言えない
言えるわけがない

スランプで困ってる林実を助ける為に
彼と古本屋さんでセックスして
そのお礼に本をもらった
なんて絶対

絶対、言えない


花「た、だ…」

功一「何」

花「自分で買ったんですよ、自分のお金
で、何か文句あります!?」

功一「ないよ」

花「第一、林実の本を持ってるからって
誘ってるなんて自意識過剰ですよ」

功一「そうかな?」

花「そうです、だいたい…!?」

功一「でも興奮しない?同じマンション
に住む住人同士って」

花「私は…」

功一「俺は全然OKだけど…」

花「…っ」


壁際に追いやられエレベーターも閉まり
功一の腕から逃げられない花
絶対絶命だった


功一「花もいいだろう?」

花「…名前…呼び捨てにしないでよ」

功一「いいじゃん別に」

花「…」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ