テキストサイズ

覗いちゃダメっ

第5章 エレベーターで



功一「花」

花「…」


髪に触れながら
少しずつ顔を近づける功一
不思議と恐怖心はなかったがドキドキは
しなかった


花「ん、ンんッ…」

功一「…」


触れるだけのキス
だけど互いの唇が離れた瞬間…


花「!!」

功一「!!」

男性「…」


男性が乗り込んで来た
幸い何も見られてはいなかったが
花は堪らず逃げるように5階で降り階段
で家に戻った


花「はぁはぁ…っ…はぁ…」

母「お帰りなさい」

花「!?」

母「何驚いた顔してるの、変な子ね」

花「…だって」

母「お父さんが帰って来る前に早く着替
えなさい」

花「お父さん、帰って来るの…」

母「一ヶ月ぶりにね」

花「…」


いないはずの母親が家にいる
という事は今日は父親が家に帰る日だ
愛人宅ではなく
この家に


父「ただいま」

母「あなた、お帰りなさい」

花「…」


久しぶりの家族団欒

でも本当は
外面、形だけの家族団欒で
花にとってその時間は拷問のような時間
でしかなかった


ストーリーメニュー

TOPTOPへ