覗いちゃダメっ
第5章 エレベーターで
花「…」
功一「花、今帰り?」
花「…気安く名前で呼ばないで」
功一「偉く不機嫌だな?彼氏と喧嘩でも
したか?」
花「…関係ないでしょう」
功一「まぁ待てって」
花「…」
あれ以来
功一と会わないよう
帰る時間をずらしていたが
同じマンションに住む住人同士では
無理があり…
功一「俺は5階と、花は何階?」
花「…6階」
功一「6階ね、はい6階」
花「…」
こうしてまた
エレベーターに乗り合わせた
花「…」
功一「何、あぁこれっ?実はスタジオで
レコーディングしてたんだ」
花「レコーディング」
功一「仲間とバンド組んでるんだ、俺は
ギター」
花「…へぇ」
背中に背負った大きな荷物
その形から中身がギターと予想出来たが
まさかバンドを組み
弾くとは…
功一「今度、花にも聞かせてあげるよ、
俺のギター」
花「でもギターは…」
功一「花?」
花「ギターは…」
功一「!?」
花「えっ何、何なの…」
功一「エレベーターが止まった、故障し
たのかも…」
花「故障!?嘘でしょう…」
功一「…」