覗いちゃダメっ
第5章 エレベーターで
功一「…」
花「どう、通じる?」
功一「だめ、誰も出ない…」
花「そんな…」
功一「…」
エレベーターが故障し
中に閉じ込められてしまった二人
非常連絡ボタンを押し助けを求めたが
こっちも壊れているのか
応答はなし
携帯で外部と連絡を取ろうとするが…
功一「…出ない」
花「こっちもだめ…」
功一「はぁ…」
花「…」
知り合いに片っ端から電話をかけたが
留守番電話だったり電源オフ
圏外だったりして
お手上げ状態
ダメ元でメールを送り
体力維持の為、動かず待機する事に
花「…」
功一「お腹空かない?」
花「…空いた…でも何も持ってない」
功一「食べかけのおにぎりでよかったら
あるよ」
花「食べかけ…」
功一「無理にとは言わないけど」
花「…食べます、ください」
功一「どうぞ」
花「…」
背に腹は代えられない
花は空腹を満たす為、功一から
食べかけのおにぎりをもらい一口食べた
中身は梅
花「酸っぱ…」
空腹は満たされたが
梅の酸っぱさに涙目になる花だった