双子姉妹・恋と愛
第4章 相対性疑問
広太は、大学の午後の講義が終わり、六本木のマンションに帰って行く。
玄関を開けて入るとピアノ演奏が聴こえてくる。
「あれっ?恋ちゃんはまだ店じゃなかったかな、」と思ってリビングに向かう。
そのピアノの前にいるのは、愛であった為に気づかれないようにリビングの隅に身を潜めて聞いていた。
愛は、ピアノ演奏が終わるとため息をついていた。
「愛ちゃん、その曲、ベートーヴェンのロマンス2番だね、」
愛は、急に広太の声が聞こえたのでビックリして返事を忘れていた。
「なんだ、愛ちゃんもピアノが上手いんだね、知らなかったょ。」
「えーと、いつから居たの広太さん、」
「ちょっと前に帰ってた、」
「ふぅーん、そうなの、お帰りなさい、広太さん、」
「あっ、ただいま愛ちゃん、」
広太は愛の頬に軽くキスをする。
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