双子姉妹・恋と愛
第4章 相対性疑問
しばらくそうして、愛が落ち着いてきたので広太は、訳を聞いてみた。
好きでピアノからバイオリンに転向したのでないと。
「ほんとうわね、ほんとうわね、」
うぇーん(泣)
愛がまた泣き出したので困惑する広太であった。
恋と愛が両親に比べられたくなかったから、しかも、愛は、恋の方が才能があると悟ったからで愛が身を引いた感じである。
広太は、双子姉妹でもいろいろとあるんだなぁと思っていた。
また愛の頭を撫でてやる。
するといつの間にか帰って来ている恋が、
「もうそんな遠慮はいらないんじゃない、愛ちゃん、わたしたちの親は死んじゃってるしね、」
愛と広太は、突然の恋の言葉に驚き返事できずにいた。
「だから、もう一度ピアノ練習したらいいんじゃない、愛ちゃん、」
「そうだね、恋ちゃんの言うとおりだょ、愛ちゃん、」
「うん、やってみる、」
「あっそう、♯のファが小さいでしょう、強く叩かないと音が聞こえないょ、このピアノの癖なの、今度、調律師にちゃんとみてもらわないといけないね、愛ちゃんがやると決まったからね、」
***