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第8章 懐かしい匂い

『あれ?菜々ちゃんじゃない?』

「あっ、風花ちゃん?久しぶり。」

風花ちゃんは彼の妹だ。

『懐かしいなぁ。

どうしたの?ここで。』

と風花に聞かれたので

散歩に出かけたら気づいたら

ここにいたと説明した。

『そっかー、菜々ちゃんには

懐かしいもんね。

兄貴の部屋に遊びにいったら

かわいい女の子がいたから

びっくりしたもん。

兄貴ったら女っ気まったくなかったし。

立ち話もアレだから部屋に行こっ。

いま兄貴の部屋、

いまは私の部屋なんだ。』

そう言って、風花は菜々の手を引いた。

部屋に入ると、

ところどころ変わってはいるが

ほとんど当時のまま残っていた。

『兄貴ったら、

私がこっちの女子大に行くって言ったら

家具はそのまま残してくれたんだ。

変わらないでしょ。』

「ほんと、あの時のままね。

ところで風花ちゃん、

お兄さんっていまどこにいるの?」

菜々は風花につい聞いてしまった。

『兄貴、菜々ちゃんに言ってないんですか?

兄貴いまは◯◯ってとこで

コンサルタントの会社に就職したって

言ってたけど。』

菜々はビックリした。




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