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囚虜の涙

第2章 日常と異変

【???SIDE】

昔からお前はそうだった。

誰にでも同じように綺麗な笑顔を見せる。その笑顔は俺だけのものじゃない。

そんなことわかっていたけど…。


中3の三学期。卒業間近ってときにお前は俺に頼ってきた。親が再婚するとかでいろいろあったらしい。

俺は正直、相談内容なんてどうでもよかった。

俺さえ頼ってくれれば。俺にだけ、その弱さを見せてくれれば…。


それから俺は親の理想を捻じ曲げ、愛しいあいつと同じ高校へ通うことを選択した。

これは、あいつの為なんだ。

そう何度も大義名分を掲げた。
でも、わかっていた。これは、ただの建前だってこと。

本当はきっと……。


ここまで考えて、ため息を吐く。自嘲めいたため息。

嗚呼、どうしてこんなにも歪んだ感情を持ってしまったのだろう。
いつから違えてしまったのか?

そう俺の中の理性が言う。

「…ごめんな。」

ポツリと呟いた言葉が俺の膝の上で眠る愛しい人に降りかかる。


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