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囚虜の涙

第2章 日常と異変

《監禁7日前》


木々の碧、海の青、空の蒼。
自然が綺麗な色を見せる季節、夏。

七月はまだ始まったばかりと思っていたが、今日は死にそうなぐらい暑い。

退屈な古文の授業中。
古文なんて聞いてるだけで眠たくなってくる…。

更に今は6限目。いつもだったら即行、寝てる。机に突っ伏してないだけマシだ。

そんなこと思いながら、目の前に座っている男子生徒を見た。

真面目に授業を聞く彼は、俺の幼馴染の紫月 疾風だ。

文武両道。顔も整っているし…。まさに非の打ち所がない奴だ。クラスの奴らや先生からも頼りにされて、羨ましい。

でも、憎んだりはしない。

だって俺はそんな疾風が好きだから。

疾風は俺の自慢の幼馴染だし、俺にだけ見せてくれる顔があるから。

優等生で人気者な疾風が幼馴染の俺にだけに見せるって特別な感じがして嬉しいと思わないか?

そして何より俺を気にかけてくれる。

いつも…。

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