君の笑顔をーー
第14章 傷ついたココロと涙。
(紗彩。私も真っ直ぐ向き合うよ!)
「紗彩。
私の話。聞いてくれるかな…?」
紗彩はバッと顔を上げ、私を見た。
そして、1度立ち上がると私の方を向いて座り直した。
「私はね、小学校2年生の頃。
ある出来事がきっかけで
笑えなくなってしまったんだ。
その出来事については
今はまだ話せない… ゴメンね…
いつか… 話せる時がきたら
聞いて欲しい。」
紗彩の瞳は真剣で
私の言葉を待つように、黙って頷いた。
「ありがとう。続けるね?
周りに心配をかけたく無くてさ…
笑う練習をしてたの。
毎日、毎日。鏡とにらめっこ。
いつの間にか、自分を偽る笑顔を
作れるようになったんだ。
それが、いけなかったのだと思う。
自分の本当の笑顔がどれなのか
分からなくなっちゃって…
これが、私の笑顔の秘密!ははっ。」
紗彩は、私を抱きしめ涙を流した。