君の笑顔をーー
第16章 亀裂。
【 陸 】ー Side ー
あの日から泉は俺と話をしなくなった。
何度声をかけても同じだった。
俺を避け、まるで俺はそこに存在して居ないかのように、目すら合わせようとしない。
『陸…あれから泉と話せて無いのか..?』
勇大は気にして声をかけてくれる。
「ん。あぁ。そうだな…はは。
仕方ねーよ。傷付けちまったの、俺だし..」
俺は自然と振舞っているが、心にはぽっかり穴が空いたようだった。
俺は、部活に打ち込んだ。
何も考えたく無いし、考え無いで済むように、好きなバスケで体を動かして、頭を空っぽにした。
女の先輩や後輩、別のクラスのヤツと…
色んな女に呼び出された。
面倒くせェ…
「今は、部活に打ち込みたいから…
彼女とか作るつもりは無いんだ。ゴメン。」
毎回、同じ言葉を口にするのも
いい加減疲れる。
俺は興味の無い女と話したくない。
一緒にいるつもりも無い。
あいつと話がしたいんだよ。
あいつに、一言..謝りたいんだ………