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君の笑顔をーー

第20章 フラッシュバック




『あぁーーーー‼︎
やっと終わったぁーーー。
後は、合格発表を待つだけか。
てか、卒業式の翌日ってマジ無くない⁉︎』


「ははっ。そうだねー‼︎
てか、蓮ももう卒業かー。
なんか、本当実感ないよね…。」



私たちは、2年校舎の屋上で話していた。


受験を終えた蓮たちは、残りの授業は
殆んど無い。


もちろん私は授業がある訳で…
こうやって、蓮が屋上によく来ていた。



『なぁ…泉。俺が卒業しても、変わらず
一緒にいろよな?
俺、泉と離れんのマジ無理だから。』


「ははッ‼︎ バカだなー。
蓮こそ、高校行って可愛い子にホイホイ
着いて行かないでよ?笑
高校でもバスケやるんでしょ?
またファンが増えそうだねー‼︎」



私は、笑いながら蓮のことをからかっていたんだ。



『泉…。』



蓮は突然、真剣な顔になり私を見つめた。



(え………。まさか…ね…
ま…まだ..心の準備が……‼︎)




蓮は私の肩を抱き、顔を寄せてきた。



(ゃ…ちょっと..待って…)



そして、私の唇に蓮の熱い吐息が触れた
瞬間だった。




《ドクン‼︎‼︎》




「ッ嫌ーーーッ‼︎‼︎」




私は蓮を突き飛ばした。


蓮は横を向いて、やってしまった…
という表情を浮かべながら『悪ぃ…』
と呟いた。



ハっと顔をあげた私は堪らず、屋上から
駆け下りた。

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