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らしくない不安そうな表情のまま絵里菜は、言いづらそうに戸惑いながら言う。
「あの、私の家の近くに古い病院の跡があるじゃない？」

「あぁ、阿ヶ崎病院のことだろ？」

「うん…最近、そこの病院のことで奇妙な噂があるじゃない？……私聞いちゃったの…」

「何を？」

「お化けの声…なんだか苦しんでるようで、でも少し怒ってる感じ…」

絵里菜はおどおどとしながら話すその噂とは、阿ヶ崎病院から何者かの声が聞こえてその声を聞いた者は、そこの院長に身体の一部を刻まれて死んでしまう、というものだ。
しかし、その病院は結構オカルト心霊スポットで有名なはずだ。