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真愛

第3章 友達




有香が時計台から姿を消してすぐあたしが乗る電車もホームに着いた


電車の中、自分の顔見てごらんと言われ鏡ごしに自分の顔を見る


それと同時に後ろに映る住宅街の景色があたしを照らしていた


家族の温かさ


あたしはもう何年も味わっていない


父親は蒸発してあたしがまだ記憶のないころに姿を消した


母親には物心つく前から彼氏がいて家にはいつも一人


最後に味わった家族の温かさはばあちゃんが死ぬ前にあたしに教えてくれたお手玉だった


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