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お前は俺のxxx

第5章 あいつは…



入学式が始まり、2階席から、新入生が入って来るのを見ていた。

隣では、流星と碧が1年の女を物色している。

2人を見て、呆れながら視線を戻した時、さっきの女を見つけた。

後ろ姿だが、間違いない。

小さい身体をさらに縮め、ビクビクと歩いている。
男たちが騒ぐ中では、怯えるのも無理もない。


(…小動物みてぇ。)


俺は静かに笑った。


式も終わり、館内を出る前、あの女に視線を落とした。


《ドクッ》とまた心臓が跳ねる。


眼鏡越しに見えた、澄んだ瞳。
あどけなく笑う表情に胸が騒ぎだす。

欲しい玩具を見つけたように、自然と笑みがこぼれていた。



【 颯太 】ー Side ー




End...

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