お前は俺のxxx
第106章 離れていく心。
俺は家に戻ると汚れた体を洗い流した。
部屋着に着替えリビングに戻ると、ソファに座った姉貴がビール片手にくつろいでいた。
『何やってんだよ。帰れ。』
『黙れクソガキ。
結愛ちゃんと花火行ってたんだろ?
何で警察の世話になってるわけ?』
キレると口が悪くなる姉貴。
俺はその態度にも苛立ちが募る。
『あいつ。店出してただろ。
まぁ軽く話しは聞いた。』
『は?誰だよ。』
『まこと。』
(あー。姉貴の元カレだったな。)
姉貴とまこっさんはタメで、中坊の時に付き合ってた。
俺はまだ小坊で、そん時からまこっさんは俺の事を弟みたいに可愛がってくれていた。
まぁ姉貴とは別れたけど…
俺の事は今でも大事にしてくれる。
『何聞いたか知らねぇけど、テメェらには関係ねぇだろ。ほっとけよ。』
姉貴はビールの缶を握り潰すと、テーブルを蹴り飛ばし俺の頬を手の平で殴った。
『ガキが調子に乗んじゃねぇよ!
テメェはまことにぶん殴られた意味がわかんねぇのか⁉︎
まことが拳を握んのはな、守りてぇモンがある時だけだ。ダチだったり、女だったり、それを守るために握んだよ!
あいつがどんな思いでテメェを殴ったのか考えたか?
それだけ伝えたい何かがあるってことだよ!
人を殴るってのはな、単純にムカつく。って理由だけじゃねぇんだよ。
大事な相手を想って殴る事がどんだけ痛ぇか、その足りねぇ頭で良く考えろ‼︎』
姉貴は俺を突き放すと、そのままマンションを出て行った。