お前は俺のxxx
第109章 好き…
しばらく何も話さないまま、
静かな時間を過ごしていた。
ただ隣に座っているだけなのに
私の心は自然と落ち着いていく。
そして碧先輩は組んでいた脚の上に頬杖をつくと、私の顔を覗き込んできた。
私は碧先輩の顔を見て、首を傾げる。
「あの..?」
その表情は柔らかくて、真っ直ぐ私の瞳を見つめる碧先輩を見て、恥ずかしくなった私は視線を彷徨わせた。
『好きだよ。』
「ぇ..?」
『俺は今でも結愛ちゃんの事
好きな気持ちは変わって無い。
颯太と結愛ちゃんが幸せなら。
って応援してきたつもりだけど。
でも、もう自分の気持ちを抑える必要も颯太に遠慮して結愛ちゃんを渡す気も無いから。』
「碧..先輩...。」
碧先輩の気持ちは嬉しかった。
優しく見守ってくれていて、
いつでも私を助けてくれた。
でも…
颯太と別れたばかりの私は
まだ心に余裕が無い。
私が返事に困っていると、それに気付いていた碧先輩は言葉を続けた。
『結愛ちゃん。直ぐに吹っ切ることが出来ないのは分かってる。
それでも、結愛ちゃんがまた笑って過ごせるように俺は一緒にいたい。
俺が結愛ちゃんを守るから。』
碧先輩の瞳は真剣で、その言葉に鼓動がトクトクと音を立てていた。