はじまりは保健体育☆
第3章 3
「えっ」
「おれもちょっとやり過ぎた。桜井が可愛かったもんで、つい、な…。これに懲りたら、もう二度と授業中にあんなことするんじゃねーぞ」
先生はそういいながら、きれいに自分の首にネクタイを結んだ。
はぁい、と返事をする。
また火照った身体は物足りなさを訴えていたが、心の中ではちょっとほっとしていた。
「先生…って、もっと優しいひとだと思ってた」
ポツリと私が言うと、
「何?そのセリフ。もっといじめられたいって聞こえるんだけど。あはは、その顔、冗談。
あとお前、リボンちゃんとしろよな」
赤い顔を片手でかくしながら、はい、という。
うまくはぐらかされてしまったような気がする…。