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ミニ嵐がデキるまで

第15章 15

1人残された私はただ人形を見つめていた

何で作ったのかは判らないけど、私と潤にそっくりな人形

私も潤もモデルになった記憶はない…智クンの記憶だけで作られた人形

こんなにそっくりに作れるほど、よく見てるんだ…いつも寝てるのに…

見てないようで、見てくれてるんだと思うと心が温かくなった

仕事が終わり、家に帰った潤は人形をリビングの机の上に飾った

ご飯も終わり、ワインを飲みながら人形を眺める潤を見て悲しくなった

そんなに寂しいのかと…

潤、私まだここに居るよ?

そう声をかけながら潤の顔を覗くと泣いていた

まるでこの人形みたいに2人並ぶ日は永遠に来ないとでもいうように

その姿が切なくて、一瞬、ずっと潤の傍に居る…と言いそうになった

けどまだ智クンとも雅紀クンとも住んで居ない…そんな状態では決められない…と思ってとどまった

この日、潤は私を抱く事も、一緒に寝る事すらしなかった

翌朝、潤の姿は無く、机に一枚の置き手紙が
残されていた

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