テキストサイズ

ミニ嵐がデキるまで

第6章 6

翌日目を覚ますと、隣はもぬけの空だった

下だけ履いて寝室を出てリビングへ

そこに蓮ちゃんは居なかった

蓮ちゃん? 蓮!

お風呂場、トイレ、クローゼット
どこを探しても蓮ちゃんは居なかった

夕べのせいで出て行ったのか…
そんな事を思い始めた頃

ピンポーン インターホンが鳴った

慌てて出てみる

そこには号泣する蓮ちゃんと、マンションのガードマンの姿があった

急いでドアを開けると、蓮ちゃんが飛びついてきた

ガードマン曰わく

朝、お財布を持った蓮ちゃんが食材を買える店を聞いてきたので教えた

2時間後、帰って来たが鍵を持っておらず、部屋番号もわからない…と泣き出したらしい

仕方なく、住人の名前を聞き出し、合い鍵で
エレベーターを開けてここまで連れてきた

との事だった

ご迷惑おかけしてすいません
ありがとうございます

俺はガードマンに礼を言うと蓮ちゃんを連れて部屋の中へと戻った

蓮ちゃんは俺からなかなか離れず、泣き止まなかった

俺は無理も無い事だと思った

今まで家から出た事のなかった蓮ちゃんが、頑張って1人で外に出た

なのに今度は中に入れない

誰でもパニックになるだろう

そして、昨日の内に入り方や鍵の説明をしなかった自分に腹が立った

大丈夫、蓮ちゃん
もう部屋の中だから安心して
落ち着いて、ね


ストーリーメニュー

TOPTOPへ