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モテモテ男の裏の顔⁉︎

第26章 言えよ。





陽は傾き、辺りも薄暗くなってきた。



兄貴…


心配するよな…
いや。怒るか…



暗闇の恐怖よりも兄貴の方が怖い。



私はパイプ椅子を握るとドアを叩いた。

パイプをぶつける衝撃はそのまま身体に伝わり、蹴られ続けた身体は悲鳴をあげそうだ。



「痛ったぁ…。」



それでもガン‼︎ガン‼︎と
何度もドアを叩き続けた。



「誰か気づいてよ‼︎」



無情にも、ドアの向こうから返事が返ってくることは無い。



あー。
明日までこのままかもな。



仕方ない。
あの女達が来るまで待つしかないか…



私は助けが来るのを諦めると
そのまま床に寝転んだ。



「太郎くん。今晩泊めてねー。」



勝手に太郎と名付けた人体模型。

もちろん返事をする事は無い。

いや。むしろ返事される方が怖い。




その時。
液晶が光り携帯が鳴った。



あのね…
出たくても出れないんです。



鳴っては切れる…
それを繰り返す壊れた携帯。



この役立たず‼︎

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