モテモテ男の裏の顔⁉︎
第26章 言えよ。
あれからどのくらい時間がたったんだろう?
手元には壊れた携帯。
電話もかけられないし
取ることも出来ない…
今が何時なのかさえ分からない。
どうしたものか…?
と考えていると、ふと気づいた。
あれ…?
ストラップが…無い。
愛奈が一生懸命作ってくれた
テディベアのぬいぐるみ。
愛奈と色違いで『お揃い♡』だと
無理矢理つけられたけど…
その気持ちが嬉しくて
そのままずっとつけていた。
私は部屋中を必死に探したけど、
どこにも見当たらなかった。
とにかくここから出ようと、
上を見ると高い位置に窓はある。
何か踏み台でもあれば…
そんな都合のいいものはここには無い。
てか…
ほとんど何も無い…
使われていない倉庫の中は、壊れて使えないものが放置されているだけだ。
机としてはもう機能しないもの。
パイプ椅子…には座面が無い。
それに…
そんな怖い顔で見ないでよ。
ここには壊れた人体模型と私だけだ。
電気すら点かないって…マジ鬼でしょ。
カバンは教室に置きっ放だし…
愛奈なら気づいて…くれるよね?
お昼に食いそびれた、焼きそばパンを頬張りながら助けを待っていた。
って…
こんな場所になんか誰も来ないだろ。