モテモテ男の裏の顔⁉︎
第28章 お前は…
『そっか。スゲぇな。お前の兄貴。
俺もまだガキだし、俺なんかが
大層な事は言えねぇけど。
俺も尊敬してる先輩たちから
同じように教わってきたから。』
「え?何が?どういう..
兄貴は鬼みたいに怖いよ?」
『バーカ。
お前見てると…
なんとなく分かった気がするわ。
そのバカみてぇに真っ直ぐなとことか
そういうお前の色んなとこ。』
「バカ⁉︎何そ..れ..?」
反論しようと湊を見上げた時…
私を見る湊の柔らかい笑みに
鼓動がトクンと音を立てた。
何でそんな顔すんのよ…
なんかズルいよ…
でも…
やっぱり湊は笑ってる方がいいな。
『あー。遅くなっちまったな。
お前、家どこ?』
「へ?あ…桜が丘だけど?」
『あー。俺んとこの手前の駅か。』
湊はそれだけ言うと再び歩きだした。
「ま.待ってよ‼︎」
私は湊の後を追って走ろうとすると、痛みが走りその場にうずくまった。
(痛っ…)
『さっきからどうしたんだよ。
帰り遅くなっちまうだろ。』
「ゴメ..今行く..」
慌てて立ち上がろうとすると
足元がよろけて転んでしまった。
『何やってんだよ…。』
湊は溜め息を吐き戻ってくると、
私の腕をグィっと引き上げた。
「痛ッ…」
『は?』
軽く腕を掴まれただけなのに、蹴られ続けた身体は徐々に痛みが増していく。