病み✕つき
第4章 証
あたしは凍り付いたようにその場で動けなくなってしまった。
二人の吐息は荒さを増し、混ざり合う
こんなの…聞きたくない。
聞きたくないのに…
「悠里…」
"ゆうり"…?
ドクン…
呼び慣れた様子の声に、心臓がきゅうっと締め付けられる。
天野君の声で、たしかにそう呼んだ。
あの先輩の名前だろうか。
この前は"先輩"って呼んでたのに…
居たたまれなくなったあたしは、その場から逃げるように走り去った。
頭が真っ白で、涙も出ない
何も考えられない
もう、何も考えたくないよーー
天野君…