病み✕つき
第5章 関係
-天野side-
最近なぜだかずっと避けられてる気がする。
いや、確実に避けられてる。
江藤にーー
「…俺なんかしたかなぁ…?」
朝のホームルームの後、独り言のように呟いた言葉と一緒に溜め息が漏れる。
心当たりが全く以って見当たらない
付き合ってまだ一ヶ月ちょっと
まともな喧嘩すら一度もしたことないのに
「なに珍しく頭抱えちゃってんの?」
机に突っ伏した俺の視界に入ってきたのは、ギリギリまでたくし上げたチェックのスカート
"先輩"だ
「堂々と2年の教室入ってくんのやめてくれませんか?何回も言ってるけど」
「え?ダメなの??」
「別にダメとは言ってないけど…」
「じゃあいーじゃん🎵」
「はぁ…」
思わず小さく溜め息をつく。
正直そんなテンションじゃないんだけど…
「つめたいなー。何その顔?」
「ちょっと考え事」
「えー?それよりさ放課後暇?」
「放課後?」
この前まで部活のない日は江藤と一緒に帰ってたけど、最近はさっさと一人で帰ってしまう。
それも俺に会わないように、どうやら別ルートから帰ってるらしい
「うち来ない?久し振りにさ☆」
「えー…やだ。」
「はー!?ケチ!」
「ケチってなんだよ…そういう気分じゃねぇし」
先輩は一個上の3年生で今年の夏に引退するまでサッカー部のマネージャーをしていた。
そして、俺の"元カノ"
高校一年の春、何の迷いもなく中学から続けているサッカー部に入部した。
先輩とは入部してすぐ仲良くなった。
好きなバンドが一緒だったり、話もノリも合った。
先輩はいつも明るくて一緒にいると楽しかった。
俺達は先輩と後輩がらも、仲の良い友達になった。