病み✕つき
第5章 関係
先輩には当時、社会人の彼氏がいた
短髪で背の高い、少々いかつい雰囲気の彼氏で
ギャルっぽい見た目の先輩と一緒にいても何の違和感もない感じさせなかった
車で学校に迎えに来て、一緒に帰る所も何度か見かけた
先輩は彼氏のことを"こーくん"と呼び、度々ノロケ話も聞かされた
先輩は彼氏のことがすごく好きみたいだった
一方俺は、入学して何ヶ月か経った頃に他のクラスの子に告白されて付き合うことになった
その子とはほとんど面識もなくて、話したこともあるかないかというレベルで
最初は断るつもりが…まぁいろいろあって断りきれず、結局2ヶ月くらい付き合った
最終的にはフラれたんだけど
そんなある日、先輩と部室で話してると、ふと先輩の腕が目に入った。
先輩は焼けるからと言って、まだ残暑も厳しいのに長袖のジャージを着ていて
俺と二人きりになって気が抜けたのか、ジャージを脱いで半袖姿になった先輩の右腕には、紫がかった痣
「…先輩、それどしたの?痛そう」
「え、これっ?…ちょっとぶつけちゃって!」
「へー…アホっすね」
「うるさい!」
先輩の顔が一瞬真顔になった気がしたけど、すぐにいつものペースで話し出すからその時は特に気にも止めなかった。
また何日かして部活で会うと、先輩はおでこに冷えピタを貼って登場した。
先輩が言うには、微熱らしい
「冷えピタって効くんですか?」
「は?冷えピタの威力知らないの?」
「なにそれ?(笑)知らない」
「冷えピタは万能なんだから!熱も覚ますし、冷たくて気持ちいいし!」
「ふーん?…どれどれ」
不意を打って先輩のおでこから冷えピタを取った