病み✕つき
第5章 関係
なんとなく気付いていた"DV"の存在
きっと俺だけが気付いてたのに…
ずっと気付かないフリしてた
先輩が幸せならそれでいいんじゃないかとか、他人が口出しする問題じゃないとか、勝手に判断して
幸せなはずなんて、なかったのに
先輩はそれっきり、彼氏と別れた
しばらくして、俺と先輩は付き合った
不安定な先輩のことが心配で、放っておけなくて
だけどそれ以上に、償いの意味もあったのかもしれない
サッカー部は部内恋愛禁止で、マネージャーと部員である以上、付き合ってることは誰にもいわなかった
そして高校一年の終わり、俺から「友達に戻ろう」と言って俺達は前のような"仲の良い先輩と後輩"に戻った
正直、先輩のことは好きだったけど
それは純粋な"好き"なのか、ただの罪悪感や責任感なのか
自分の気持ちが分からなかった
先輩は意外にもあっさり承諾してくれたけど
別れた後も友達以上の関係を求められた
俺は何となく拒否しきれず
先輩に求められるまま、だらだらと曖昧な関係を続けた
江藤と付き合い始めてからも先輩との関係を断ち切れないでいる
知ったら江藤は俺を嫌いになる
きっと軽蔑する
傷付ける
そう分かっていながら…