病み✕つき
第6章 独占
「…教えてくれないの?」
天野君はどこか悲しそうな表情であたしの顔を覗き込んでいる。
「…天野君はあたしのこと…好き…?」
俯いて天野くんの顔が見れないまま呟いた言葉は、ずっとずっと聞きたかったこと
「…うん」
顔を上げて天野君を見る。
「…やだ。ちゃんと好きって言って…」
天野君の本心がわからない。思わず本音をぶつけてしまう
「…好きだよ。江藤のこと」
「…ほんとに?」
「うん」
「…あの先輩より…?」
「…ぇ」
天野君の表情が固まる。
その表情にあたしの不安は止まらなくなる。
「…天野君があの先輩と影で何してるのか知ってるよ」
「…は…?」
「この前サッカー部の部室でしてたことも…」
「…っ…!江藤、聞いて…」
「…」
「この前は先輩がどうしてもって言うから…これで最後にするからって言われて、だから…っ」
「…」
焦る天野君を黙ったまま見つめる。
「…せん…ぱい…?」
"ゆうり"ーー
二人きりの時は、そう呼んでたくせに