君の隣の相棒さん、∥
第5章 愛妻弁当(芹)
「あ、玉子焼き‥」
『…食べますか?』
「いいんすか!?やったぁ!」
『はい。あっ、ご飯粒ついてますよ?』
何処何処?と聞かれて自分の口元を指差してみるけれど、芹沢さんの指先は的外れに逆の頬を触っていたので思わず伸ばした手がご飯粒を摘まむとそのまま自分の口に運んだので、芹沢さんの顔がみるみる赤くなったからに驚いた様子で私を見ました。
「あ、あの、そういうのは恋人同士がやるもんですよ?」
────恋人同士…。
意識なんてしていなかったけれど、不思議とそれも悪くないのかもと思っている自分がいました。
理由は分かりません。けれど多分、こんなに美味しそうに自分の作った物を食べてくれる人はそうは居ないと思ったからかもしれません…。
次に、じゃあ、恋人同士になってみます?って言ったら芹沢さんは目線を反らしたままいいました。
「紫音さんが、いいなら」
『え、いいんですか?』
ふと頷いた芹沢さんの表情が真剣になります。
私はその場で返事をする代わりに、翌日作ってきたお弁当に手紙を添えました。
“宜しくお願いします”と。
(愛妻弁当)
(あの‥慶二さんって呼んでも構いませんか?)
(は、はいっ!)
『…食べますか?』
「いいんすか!?やったぁ!」
『はい。あっ、ご飯粒ついてますよ?』
何処何処?と聞かれて自分の口元を指差してみるけれど、芹沢さんの指先は的外れに逆の頬を触っていたので思わず伸ばした手がご飯粒を摘まむとそのまま自分の口に運んだので、芹沢さんの顔がみるみる赤くなったからに驚いた様子で私を見ました。
「あ、あの、そういうのは恋人同士がやるもんですよ?」
────恋人同士…。
意識なんてしていなかったけれど、不思議とそれも悪くないのかもと思っている自分がいました。
理由は分かりません。けれど多分、こんなに美味しそうに自分の作った物を食べてくれる人はそうは居ないと思ったからかもしれません…。
次に、じゃあ、恋人同士になってみます?って言ったら芹沢さんは目線を反らしたままいいました。
「紫音さんが、いいなら」
『え、いいんですか?』
ふと頷いた芹沢さんの表情が真剣になります。
私はその場で返事をする代わりに、翌日作ってきたお弁当に手紙を添えました。
“宜しくお願いします”と。
(愛妻弁当)
(あの‥慶二さんって呼んでも構いませんか?)
(は、はいっ!)