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君の隣の相棒さん、∥

第7章 レンズ越しの恋(大)

大河内が最初に彼女に出逢ったのは朝早い警視庁の廊下。
段ボールを三つ積んでいっぺんに持っていたために曲がり角の大河内に気付かずぶつかってしまったことがきっかけだった。



『ったたぁー…すいません!お怪我は有りませんか?』


「平気で‥‥っ」



慌てた様子のその人は格好は違えども顔は大河内が良く知る人物と瓜二つで、突然のことに大河内は思わず言葉を失った。



────翡翠色の上だけフレームのついた眼鏡と左耳のピアス。
身長と髪型を除けば監察官の彼女と同じ顔を持つその人は、大河内の無事を確認するとまた段ボールを積み直して一礼し、慌ただしく走り去って行った。


それにしても初めて見た監察官の彼女に良く似た女性。
大河内はあまりのことに名前を聞き忘れたと頭を抱えながら監察官室へと向かうのだった。

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