君の隣の相棒さん、∥
第8章 黒のナイト(神)
口元に痣。右目には前髪で隠した眼帯。
変わり果てた彼女の姿。
『っー…、いったぁー…』
右目を抑える。今日も病院へと行ってから警視庁へと来ていた彼女。
痛々しい姿に鑑識の仲間も驚き、彼女を心配していた。
夜。仕事を終えた彼女は警視庁出入口付近にある待ち合いのソファーに座り、スマホを弄りながら成るべく遅く帰るために時間を潰していた時のことだった。
「口、どうかしたの…?」
突然声をかけられた。
顔を上げると立っていた黒いレザーのロングコートを身に纏ったその男は、次に彼女の隣に座って続けて口を開く。
「あぁ‥口だけじゃないみたいだね」
『あの‥どちら様でしょう?』
「ああ‥はい、これ」
渡された名刺に“神戸尊”の文字。
そう言えばいつだったか、同期が特命係に数ヶ月だけ居たことがあると姉から聞いたことがあった。
間違いなくその彼であることは名前で見て取れた。
変わり果てた彼女の姿。
『っー…、いったぁー…』
右目を抑える。今日も病院へと行ってから警視庁へと来ていた彼女。
痛々しい姿に鑑識の仲間も驚き、彼女を心配していた。
夜。仕事を終えた彼女は警視庁出入口付近にある待ち合いのソファーに座り、スマホを弄りながら成るべく遅く帰るために時間を潰していた時のことだった。
「口、どうかしたの…?」
突然声をかけられた。
顔を上げると立っていた黒いレザーのロングコートを身に纏ったその男は、次に彼女の隣に座って続けて口を開く。
「あぁ‥口だけじゃないみたいだね」
『あの‥どちら様でしょう?』
「ああ‥はい、これ」
渡された名刺に“神戸尊”の文字。
そう言えばいつだったか、同期が特命係に数ヶ月だけ居たことがあると姉から聞いたことがあった。
間違いなくその彼であることは名前で見て取れた。