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『たけるさん‥で、あってますか？』


「うん。良く間違えられるけど、君はお姉さんから聞いているみたいだね」


『はい。確か、主席さんとも面識があるとかなんとか…』


「うん、そうだね。‥‥最近、二人を避けているのはその怪我のせいかな？」


『え？避けてる…？』



あれ、違った？と神戸。
彼女自身気付いていなかったが、無意識に仕事場以外の人間と会うことを避けていたらしい…。
神戸は彼女に彼女の姉と大河内からの伝言を伝えると彼女の反応を伺った。



『‥‥姉さんたちには、心配かけたくないんです』


「それは、君の負った傷がただの怪我じゃないからかな…？」


『え‥‥‥？』


「化粧で誤魔化してるみたいだけどさ、殴られた痕って意外に分かるものだよ…？」


『あー、ははっ、バレちゃいましたかぁ‥』



苦笑いのような、やりきれないような表情を浮かべている彼女に手を伸ばす神戸は、その長い前髪をそっと掻き分けて眼帯部分を見た。