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溺愛禁止。

第13章 離れる心

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いつもの時間よりも早く出勤していた。


店長以外、誰もまだ来ていないはず…。




私は退職願いを手に
コンコン、とノックをして


「失礼します…。」



静かに事務所のドアを開けた。





「…?

どうした?まだ早いだろ。」




パソコンに向かっていた店長が振り返って私を見ると


いかにも不思議そうな顔をした。



「…お話ししたいことがあります…。」



「…何だ?」






「私…ここを辞めようと思います…。」





「…そ。

じゃあ、来月末までだな。」








「…。」



「何だ?まだ他に何か用か?」






「…いえ…。」




「俺が引き止めるとでも思ったか?」








「……いえ……。」








「お前にはもう何も言う気にはならん。

届けはそこに置いておけ。」




店長はパソコンの方に向きを直してしまった。








私は店長の思いやりを


大事にすることができなかったんだ…。




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