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溺愛禁止。

第14章 届かぬ想い

「はあああああーーー!!??

恋実ちゃんが辞める?」




俺は仕事終わりに兄貴の家に来ていた。


そしてたった今、兄貴から恋実ちゃんが辞めることを聞かされた。



「どうすんの?蓮。」


月子も今の俺達の状態を知っていて
恋実ちゃんの様子を見ていてくれた。



「作戦中止、だな…。」







作戦とは---



押して駄目なら引いてみろ作戦だ。





月子に言われたとはいえ…



“別れたから”



が、あんなに効くとは思わなくて
やり過ぎたかなって後悔してるけど…。



恋実ちゃんがいつ俺に、自分の気持ちをぶつけに来てくれるかなって待ってるのに


まさか…辞めることを考えるなんて…。




「兄貴も俺の作戦知ってるんだから

辞表なんか受け取るなよ。」





俺は苛立ちを隠せずにいた。




「俺は…もう追わない方がいいと思うけど。」


「…は?」




「俺は、引き止めるつもりはない。」



「あ?」





「佐伯のためにならないだろ?


甘やかすだけが恋じゃない。



厳しい心で




見送ってやれよ…。」

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