最後の恋は甘めの味で
第10章 戻りたくない
”上司と部下には戻れない”
そう言い放たれてから1週間が経った。
この1週間のうちに納期期間に入り、忙しさはピークに。
私も上條くんもそれぞれに仕事が与えられ、顔を見ることもままならなかった。
結果、この1週間、上條くんとまともに会話をしていない。
その言葉が本当か嘘か分からないまま。
私は、というかほとんどの社員が最後の仕上げと言わんばかりに残業中。
部署にはキーボードを打つ音が鳴り響く。
「みんな、あともうちょっと!頑張って!できたら打ち上げだから!」
そう言う部長の声を聞き、みんなの打つスピードが増した。