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最後の恋は甘めの味で

第37章 終わった過去、変わった人



「まあ、もういいなら全然」

「良くないわよ!!」


自分でもびっくりするくらい大きな声が出て真也は指で耳栓をした。


もう、いいわけない。


いいわけはない、のだけど......


私を探して走ってくれたのか、滲む汗とか


自分の身を顧みず私のために年下くんを殴ってくれたとか


真也の行動がいちいち私をきゅんきゅんさせるから


何だかもういい気持ちになってしまう。


ふぅと一息つき自分がここまで走って来た理由を思い返せば


やっぱり決め付けからだったりするわけで。


ちらりと真也を見ればばちりと視線があった。


「.......詳細、教えなさいよ」

「言われなくてもそうするつもりですよ」


グイーと背伸びする真也の体のラインの美しいことよ。


思わず見蕩れてしまったではないか。


「それに暁さん俺がどれだけ惚れてるか未だに分かんないみたいだし、今夜まとめてお教えしますよ」


口元をにやりと歪ませる真也に私はぽかんとする。


意味が分かったその時にはもう遅く真也は歩き出していた。

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